東京藝大で楽しい妄想

 東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻の競争率が7.6倍に跳ね上がったニュースをうけて、さてこれから天下の藝大はどうするつもりなんだろうと思う。
 ここで僕はかつてのスタジオシステムなるものを思い出す。なつかしき日活。大量生産されたフィルムには「芸術性」も「作家性」もないという批判の一方で、スタジオシステムが日本映画の技術の伝承に大きな役割を果したことは今日周知の事実なのだ云々。
 いま東京藝大がやろうとしていることは、表面的には北野武の教授就任ばかりが"クロースアップ"され話題になっているが、実はもっと野心的に、日本の映画産業の(技術の)アーカイブとしてかつ実践の地としての一大拠点を築き上げようとしているんじゃない?いずれは学部のほうまで裾野拡げて。
 というか、かつてのスタジオシステムが担った技術の伝承ってやつを、なんてたって芸術における国内最高学府が担うわけだから、「伝承」と「開発」を一手に担って、もっとてこ入れして音楽も俳優もガンガン育成しちゃえばいいんでなくて?で、教師陣のコネもフルに活用して、芸大力も活用して、民間と「共同研究(という名目で映画の共同製作)」して、ゆくゆくは芸大ブランドの映画作ったり(笑)。で、大学だから映画研究のほうでも教員も増やしておいて技術もちゃんとアーカイブにぶち込んで、また適宜カリキュラムで取り出してこれで伝承もOK。in/out put! ってか、すでその香りプンプンだし!(こちら)。

「新学部等の構想」において、映像芸術と舞台芸術に共通する芸術性の根幹は、「身体を介した物語の表現」であることが確認され、映像や映画、舞台や演劇といった芸術分野を教授していくためには、これまでの美術や音楽とは異なった教育環境を整備していく必要性が指摘されました。

「身体を介した物語の表現」?ってことは俳優養成所みたいなものができる日もそう遠くないと解してよろしいんでしょうね。どうでしょう?でもきっとそうかもな。そしてゆくゆくはプロデューサー、ディレクター、脚本家、スクリプター、照明、美術、大道具、音楽、俳優。良質な具だけを取り込んで、しっかり味付けして、なおかつ全部同じところで寝かしておいたら、相乗効果で熟成して、気がついたらすごいの出来ちゃいました、みたいな。
 北大ブランドの牛乳や牛肉みたいに、こりゃまじで東京藝大ブランドの映画とか共同製作でできちゃったりして?*1
参考

大学院映像研究科の開設について
学生募集要項(抜粋)
国立大学法人法

*1:国立大学法人法」が大学の営利活動をどのように、どの程度規定するのかはこれ読んでもさっぱり分かんなかった。やっぱ映画とか作ってそれで金とるのはまずいのかな?でもこないだテレビで、北大が都内で北大ブランドの牛乳と牛肉の物産展みたいなのやってるの流してたぞ?