ディスガスティング

 もし、自分が生きてきたこの7年間が実はまったく無駄だったとしたら? 自分は時間をただ過ごしてきただけで、何ひとつ獲得せず、成長せず、人生のもっとも貴重な一時期を、自分ではそうとは気づかないまま、ただドブに捨ててきただけだったとしたら?
 自分では、そのときどきで精一杯やってきたつもりだった。すべてを肯定することなど到底できないが、部分部分で許せるところはある生き方をしてきたつもりだった。無気力な2年間を過ごしこれからは後悔しない人生を送ろうと決意してから以降その何分の一かを実行してきた、はずだった。
 だがそれは本当なのだろうか? ただ巧妙に自分自身を欺いていただけではないだろうか。あるいは、現実から目をそらすために、自らすすんで騙されていただけではないだろうか。それがいつしか、本当のことだと思い込むほどに。
 自分の人生がまるでとりかえしのつかないボタンの掛け違いのように見える。滅茶苦茶な基礎の上に建った出鱈目なうわ物を見ているようだ。一見それらしい外観を保ち、上に上に伸びているようで、実は風が吹くだけで簡単に崩れてしまう欠陥建築。その下で、7年前から何も成長していない実りのない土が、時間の経過とともに少しずつ淀み、腐り始める。わかる人がみればひと目で見抜いてしまうほどに粗悪な代物。どうやって立て直せばいいのかその術さえ見つからない。はたしていまの時代を自分は生き抜いていけるのか。それ以上に、そんな自分とどうやって付き合っていけばいいのだろうか。
 昨日はこんなことを考えて朝まで眠れなかった。