レイクサイドマーダーケース

unvisibleman2005-01-29

 はじめに断っておきますが、このエントリーはネタバレを含んでいるかもしれませんのでご注意ください。
 青山真治監督の最新作『THE LAKESIDE MUDER CASE レイクサイドマーダーケース』を観に日比谷に行ってきました。ホーこういう感じですか、なんだか新劇を見ているみたいですね、ふむ、けどまずは期待は裏切られなかったなという印象でした。ただいかにもなカタルシスはないので、これを観てなんだかなあ〜と思う人も結構多いんじゃないかとも。
 妙に記憶に残っているのは湖にボートで漕ぎ出すシーン。そこでボートがちょっとひきめの画面で右斜め上にフレームアウトしていく箇所があるですが、それをどこかで観たような気がしたんですよね。その構図自体なんとなくアンバランスさを感じさせられるんですが、それとは別に既視観のようなものがあり、何の映画だっただろうかと。『サンライズ』だったかなぁ。嵐の前の、若い夫婦がボートで漕ぎ出たところあたり。んー、かなり怪しい…。
 それから映画の中の高階英里子の扱い。最後のあれはどういう意味なのでしょう?
 青山真治はどうしてあれを付け加えたんでしょう。どうして付け加えたのかという点では、その前の寝そべった高階英里子が木々の上を旋回しながら上昇していく美しいシーンも。たしかに最後に彼女の登場がないと、後半部の展開上、彼女の存在が宙吊りになってしまうのはわかるのですが。登場人物の口から死んだ高階のことが語られるのではなく、敢てあのように彼女の映像を挟むというのは、ストーリー・構成外からの、高階役の眞野裕子との契約からの要請とかそういう話なんですかね?
 それにしても、やっぱりと思うのはこの監督の映画にはフレーム自体の物語力がありますよね。カメラで切り取られた画が単なる状況説明の映像(文字通り映し出された像)以上でも以下でもない使い捨てではなくて、例えば主要キャストがフィックスで全員同じフレームに収められた時の彼らの位置関係とか距離感とかそこでの役者の演技とかだけで、それだけで白飯が喰えるぐらい、画が物語を帯びてるって〜いうか〜ァ。
 ところで隣に座ったシネフィル第三世代の小僧二人組みが、特徴的なカメラワークや柄本明役所広司薬師丸ひろ子の台詞回しに、押さえておくべきポイントを確認し合うように、いちいち「ふっ」と反応し、それをふたりでさらに笑い合うンムフフフという声が、どうでもいいんだけどどうでもよくなくうざかったんですがぁ〜。ってか先取りばっかりしてるんじゃねーよですよ。テメーら逝ってよし(ですな)!
(追記2005/1/30)
■ラストの高階英里子の映像の意味
映画作品・映画人@2ch掲示板「レイクサイドマーダーケース」 より

237 :名無シネマ@上映中 :05/01/27 01:08:11 id:jKx/LZIE
>>224
パンフ読むと役所が光を嫌がるのは、なんか魔女の話の引用らしい。光、ライター、魔女と いうのがキーワードだと言ってて、監督の中では薬師丸と眞野は魔女なんだそうだ。
ちなみにパンフの最後のページには「どんな小さな動きも見落とすな 魔女の季節が訪れたに違いない」と書いてある。
正直これだけではサパーリわからんけど。
ラストについては脚本では6年後の別の人が訪れて死体が見つかるという事になってて
実際に撮影したが編集で落としたとのこと。


241 :名無シネマ@上映中 :05/01/27 05:41:52 id:t72wcEq0
>>237
そういや開巻流れてたっけなー<ドノヴァン「魔女の季節」
しかし↑の曲知ってて気づいた観客が果たして何人いたのやらw
かくいう漏れも237読むまですーっかり忘れてた(パンフも買わなかったし


242 :名無シネマ@上映中 :05/01/27 09:18:13 id:tMXQ7ij9
>>240
青山によると因果応報、全ては魔女が知っているということらしいでつが...。
>>241
ちなみにパンフの1ページ目がその曲の歌詞(英語)ですた。「何か妙だ。どこか妙だ。」
たぶん観客の1%も気づいてないのでは。漏れもパンフ見なければ絶対にわからん。
他には
・リンチのワイルドアット〜とか(ライター、光、魔女?)ゼメキスのホワット・ライズ〜(作品の全体的な構造)
 なんかを参考にしていると言ってた。
・舞台になってるあの家は新築。
・薬師丸の起用はやっぱりWの悲劇から来てるらしい(「私が殺したの」)。
なんかが書いてありますた。タバコの事はいっさい触れてなかったなー。


254 :名無シネマ@上映中 :05/01/27 19:05:25 id:tMXQ7ij9
>>250
ドノヴァンについては、この映画の構想を練ってるときに、たまたま何かの映画で
使われているのを聞いてそういえば最近奇聴いてなかったなーと聴きだしてく内に
SEASON OF WICHESがこの映画のテーマにぴったりだと思ったらしい。(映画と
曲が出会ってしまったという言い方をしてた)
魔女云々の話はboid樋口との対談の中で樋口が薬師丸が未来の映像を見てしまうっていうのは原作には入ってるのかー?と質問したときに青山が実は薬師丸さんと眞野さんは魔女でという感じで始まった話で、この映画を魔女狩りの映画として捉えている(そういう捉え方も出来る)という感じで話している。
役所(光を嫌がる)←対立項→眞野(カメラマン・フラッシュを炊く、光を発する存在)
で、二人の間にライターがあるということらしいですが...。
眞野が死んでもライターを通じて役所は魔女に呪われているという解釈
なんだろうか?だからあんなラスト?
っていうか魔女と光ってなんか古典的な意味合いで関連性があるんだろうか。
(ドラキュラと十字架とかみたいに、ちょっと違うか)
ワケわからん。エロイ人、解析キボンヌ。

牧野有紗as並木舞華
うんうん、可愛かった。母親と別居している義父とのぎこちなさがはまってる。
牧野有紗【まきのありさ】profile
南日本新聞373news.comより

 大隅町坂元出身の牧野有紗さん(14)が、世界で最難関とされるモスクワ国立バレエアカデミー(旧ボリショイバレエ学校)に昨年10月入学、世界のプリマドンナ目指し単身、異国の地で頑張っている。牧野さんはこれまで地元中学校に通う傍ら、映画やテレビドラマに数多く出演するなど活躍していたが、今回芸能活動も一時休止してのバレエ留学となった。  牧野さんは同町で生まれ、昨年秋まで地元・大隅北中学校に通っていた。また、小学3年生のときには、東京の芸能プロダクションが主催するオーディションに合格。学業の傍ら各種オーディションに出掛け、これまでテレビドラマ13本、映画3本などに相次いで出演している。最新作は、1月下旬に公開される役所広司薬師丸ひろ子主演の映画「レイクサイドマーダーケース」。